≪論文紹介≫

背景

妊娠は、排卵の約5日前から数時間後までにのみ可能です。したがって、効果的な性交を行うには、この妊娠可能な期間に性交を行う必要があります。タイミングを計った性交」とは、妊娠の可能性を高めるために、排卵および受胎可能な期間を前もって特定することです。この研究では、タイミングを測った性交と自然な性交における妊娠率に関して調査を行っています。

調査対象・方法

通常の性交渉が12ヶ月未満で妊娠が継続していない妊娠を試みるカップル。（不妊症と診断されていない）参加者の年齢は18歳から43歳までであった。

排卵予測による時間指定性交と自然性交（排卵予測なし）を比較した試験を組み入れた。
排卵予測群の女性は受胎可能性を予測するために症候学的方法（暦計算、子宮頸管粘液検査、基礎体温測定を組み合わせた方法）の指導を受けました。

結果１

主な比較対象の所見概要 妊娠を希望するカップルのための排卵予測なしの性交とタイミングを合わせた性交の比較

結果２

2群間の臨床妊娠率の差を示す証拠はなかった（RR 1.10, 95% CI 0.57 to 2.12, 2 RCTs, n = 177, I2 = 0%）このことから、定時性交後の臨床的妊娠の確率を16％と仮定すると、排卵予知を行わない性交後の確率は9％から33％であることが示唆されました。定時性交が排卵日予測なしの性交よりも高い妊娠率と関連しているかどうかは不明であった。研究数が少なすぎ、異質性が認められなかったため、計画した感度分析やサブグループ分析は行わなかった。

表１（結果２に関連）

比較のフォレストプロット：1 時限性交と排卵予測なしの性交の比較、結果。 妊娠率（臨床妊娠と自己申告による妊娠）。

結果３

タイミングを合わせた性交は、排卵日予測なしの性交よりも高い妊娠率と関連していた（RR 1.35, 95% CI 1.06 to 1.71, 4 RCTs, n = 1387, I2 = 0%）。このことから、排卵日予測なしの定時性交後の妊娠の確率を13％と仮定すると、定時性交後の確率は14％から23％であると考えられます。研究数が少なすぎ、異質性も認められなかったため、計画した感度解析は行わなかった。

表２（結果３に関連）

比較のフォレストプロット：1 時限性性交と排卵予測なしの性交の比較、結果。 妊娠率を不妊症の期間でサブグループ化したもの。

まとめ

このレビューでは、妊娠を希望するカップルの妊娠転帰における、時間を決めた性交と自然な性交の有益性と危険性を評価した。

妊娠率（臨床妊娠または自己報告妊娠）を分析すると、定時性交は排卵予測法を用いない性交よりもわずかに高い妊娠率と関連していた。

著者らのコメント

追加的なストレスを伴わない定時性交のわずかな有益性は否定できないが、臨床的な妊娠または生児を得るために定時性交を導くための排卵予測法の使用は依然として不確かである。これらの知見は、医療提供者が妊娠のために排卵日予測法を使用する際の推奨事項に影響を与えることが予想される。