月経周期における妊孕性レベルおよび期間の年齢による変化

論文紹介

月経周期における妊孕性レベルおよび期間の年齢による変化

タイトル:Changes with age in the level and duration of fertility in the menstrual cycle
著者:David B Dunson 1, Bernardo Colombo, Donna D Baird
出版:Human Reproduction, Volume 15, Issue 9, September 2000,Pages 1953–1957,
PMID:11980771
DOI: 10.1093/humrep/17.5.1399
論文元URL:https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/11980771/

≪論文紹介≫

概要

この論文の著者らは、すでに公表されているヨーロッパで実施された大規模多国試験のデータを集め、性行動でのばらつきを慎重にコントロールして、性交の頻度の減少による影響を切り離すことにより、男性および女性の年齢が本来の妊孕性(妊娠する能力)に及ぼす影響を評価しました。集めたデータの女性のうち、過去に少なくとも一度の妊娠経験があるのは349人です。排卵日と比較した特定の日の性交に関連した妊娠率を推定し、年齢グループの間で比較しました。加えて、臨床的に検知可能な妊娠につながる性交の妊娠可能期間の長さについて、年齢グループの間での違いを調査しています。

方法

自然家族計画法を利用している健康なカップル782組から、5860の月経周期に関する前向きデータを提供してもらいました。排卵日は基礎体温の測定に基づいています。妊娠の日ごとの確率および妊娠可能期間の長さの推定値を年齢グループ別に比較しました。

結果

ほぼすべての妊娠は6妊娠可能期間内に起こりました。より高齢の男性や女性では妊娠可能期間がより短いという証拠はありませんでした。平均して、20代後半以降の女性では、1日ごとの妊娠率は年齢とともに減少し、19~26歳の女性の妊娠率は35~39歳の女性と比較して2倍でした。女性の年齢を考慮すると、35歳以上の男性では妊孕性が有意に減少していました。

結論

  • 女性の妊孕性は20代後半に減少し始め、30代後半には大幅に減少します。
  • 男性の妊孕性は年齢による影響は少ないですが、30代後半になると有意な減少を示します。

不妊期間別の累積受胎率

図 1.
19-26歳、27-29歳、30-34歳、35-39歳の平均的受胎能の女性における、排卵日に対する特定の日での性交後の臨床妊娠率 (日ごとの受胎確率に関する欧州人の研究、433例の妊娠)。 男性パートナーの年齢で調整。

排卵日の2日前で全ての年齢で妊娠しやすかったです。女性が加齢とともに妊娠する確率が下がりました。

不妊期間別の累積受胎率

図 2.
同年齢または5歳以上年上のパートナーがいる、19-26歳、27-29歳、30-34歳、35-39歳の平均的受胎能の女性における、排卵日に対する特定の日での性交後の臨床妊娠率。

男性パートナーの年齢による妊娠する確率への影響を見ました。男性女性ともに年齢が30代後半になると、男性の年齢が5歳上の場合だと妊娠する確率が下がりました。

不妊期間別の累積受胎率

図 3.
27-29歳のカップル間での妊孕性の母集団分布、5、25、50、75、95パーセント点でのカップルに関する、排卵日(0日目)に対する特定の日での性交後の臨床妊娠率。

すべてのカップルは、排卵の6日前以前、または排卵の1日後以降の性交後に臨床妊娠する確率が低かったです。

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