年齢と卵子の関係
2025.01.16
妊娠するためには、卵子がとても重要です。ここでは、妊娠と年齢の関係や卵子の数や質について説明を交えながらご紹介していきます。
卵子の知識を深め、自分たちの妊活計画を立てましょう。
妊娠と年齢の関係
妊娠と女性の年齢は大きな関係があると言われています。一般的に、女性の妊娠しやすさは年齢と共に低下していくことが知られていますので、その理由と影響について詳しく見ていきましょう。
「卵子の数」のお話
女性は生まれた時から卵巣に一生分の卵子を持っています。その数は、約200万個といわれ、これらの卵子は自然に減少し、月経が始まる思春期頃には約30万個になっています。その後も月経のあるなしに関わらず減少し、およそ月1000個のペースで減少するといわれています。卵子の数は年齢を重ねるごとに、時間とともに減少していきます。
そしてこの卵子が卵巣からなくなる頃、閉経を迎えます。閉経頃の卵巣にある卵子は約1000個といわれています。
「卵子の質」のお話
20代から30代前半は妊娠に最も適した時期とされていて、妊娠しやすく、出産も比較的安全に迎えることができます。この時期の女性は比較的多くの質の良い卵子を持っています。しかし、30代半ばを過ぎると、卵子の質が低下し始め妊娠率が下がります。
特に40歳間近になると、妊娠率はさらに下がり、流産のリスクも増加します。40歳を過ぎると妊娠しても流産する確率が高くなってしまいます。
卵子の質は、染色体の数の問題があげられます。卵子は、もともと染色体数の問題が起こりやすく、一説には排卵する卵子の約25%に染色体数の問題が起こっているとされていますが、この発生するリスクは年齢とともに高くなります。
そのため妊娠が難しく、流産がしやすくなる傾向になるのです。
たとえば、年齢が上がるにつれてダウン症(21トリソミー)などの赤ちゃんが生まれるリスクが上がるのは、「卵子の質の低下」に由来することがあります。また、卵子そのものの元気さも低下していきます。若い頃の元気な卵子にはミトコンドリアの数も多いのですが、だんだんとミトコンドリアの数が少なくなり、これが卵子の質へ影響しているとされています。
「卵巣機能」のお話
年齢が高くなるに従って卵巣機能が低下し、ホルモンバランスが変化することで排卵が不規則になることもあります。これまで下垂体から分泌されるホルモンに卵巣が正常に反応できていたのに対し、だんだんと卵巣の機能が低下し反応が鈍くなり、卵胞の発育、卵子の成熟などに影響してきます。いわゆる閉経に近づいているという状況になります。
年齢 | 卵子の数 | 卵子の質 | 妊娠率 | 流産リスク |
---|---|---|---|---|
生まれた時 | 約200万個 | ― | ― | ― |
思春期 | 約30万個 | ― | ― | ― |
20〜30代前半 | 月1000個ペースで減少 | 質が保たれている | 25〜30% | 比較的低い |
35歳 | 質が低下し始める | 下がり始める | 増加し始める | |
40歳 | 質がさらに低下 (染色体異常のリスク増) |
さらに低下 | 流産リスクが 大幅に増加 |
|
閉経前 | 約1000個 | ― | ― | ― |
<20代>
妊娠しやすい時期で、妊娠率は1サイクルあたり約25%です。流産率は低く、10〜15%程度と言われています。
<30代>
30代前半の妊娠率は20代とあまり変わりませんが、35歳を過ぎると急激に低下し始めます。35歳では1サイクルあたりの妊娠率は15%前後になり、流産率は20%程度に上昇します。
<40代>
40歳になると、妊娠率はさらに下がり1サイクルあたり5%程度にまで落ちます。流産率は40歳で約40%、45歳になると50%以上に達します。また、染色体異常や出産時の合併症のリスクも大幅に増加します。